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JEAN BlogsJEANの「感動価値」ブログ

2023/08/24

クレームは宝の山

今回は、「お客様からのクレーム」について、皆さんとご一緒に考える機会となればと思います。

「クレームは宝の山である」

こんな言葉を聞いたことがある方も、多いのではないでしょうか。

クレームが発生したことに対して、ネガティブに捉える方は多いですが、対応次第ではお客様の信頼を取り戻し、強い信頼関係を築けることもあります。

また、クレームを言って下さるお客様はごく一部に限られます。

大多数のお客様は、何かクレームを言いたいことがあったとしても、無言で離れます。

このような「声なき顧客」は、「サイレントカスタマー」や「サイレントクレーマー」とも呼ばれます。

以下のグラフが示す通り、不満に感じるがあってもクレームを言ってくださるお客様は一握りです。

日米比較では、日本の方が企業への申し出率が圧倒的に少ないですね。

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出典:日経リサーチ様ホームページより
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出典:日経リサーチ様ホームページより

なぜ、多くのお客様はクレームを言わないのか。

理由として、お客様が商品サービスに不満を感じたとしても、「クレームを言うために使うの労力や時間がもったいない」、「対象店舗や企業に対して無関心である」などが挙げられます。

クレーム対応の基本

次に、クレーム対応の基本についてお伝えします。

弊社では、以下の【3つの流れ】を抑えて頂く形をお勧めしています。

基本的には、店頭で受けるクレームも、電話やメールでのクレームについても、この流れで対応することが可能です。

【クレーム対応の3つの流れ】

1.お客様の話を聴く・謝罪をする

2.原因を伝える・再度謝罪をする

3.解決策の提案をする
(2と3は前後する場合があります)

この流れは、お客様のニーズに対応する順番となっています。

クレームを言ったお客様のニーズの多くは、以下の通りです。

  1. まず話を聞いてほしい。指摘箇所を伝えたい。

  2. 原因(なぜ起きたのか)を知りたい。

  3. どのように対応してくれるのかを知りたい。

それでは、ある飲食店でのクレームをモデルにその対応について、詳しく見ていきます。

【モデルケース】

店頭のお客様から、接客対応に対する不備についてご指摘があった。

・料理提供までに長時間かかった上に、間違った料理が提供された。
・お客様はお怒りのご様子。
・スタッフから店長へ報告があり、店長が対応する。

1.お客様の話を聴く・謝罪をする

お客様の話をよく聴き、不快な思いをさせてしまったことに対してお詫びをします。

【対応例】
「この度はお料理のご提供につきまして、ご提供にお時間を頂きましたこと、また、別のお料理をご提供しまいましたこと、大変申し訳ございませんでした。」

2.原因を伝える・謝罪をする

正確な事実を確認し、ご迷惑をお掛けしてしまった原因をお伝えします。

【対応例】
「原因を確認しましたところ、オーダーが重なってしまい調理に時間がかかりご提供に遅延が生じてしまいました。また、スタッフの伝票の確認ミスにより別のお客様よりご注文頂いたお料理を誤って提供してしまいました。大変、申し訳ございませんでした。」

3.解決策の提案をする

お客様にご理解・ご納得頂けるような解決策をご提案します。

【対応例】
「今回は、私どもの不備でご迷惑をお掛けしてしまいましたので、該当のお料理のお代をサービスさせていただけませんでしょうか。」

まずは、この3つの大きな流れを頭に入れておいて頂ければと思います。

クレームの発生は、どのような内容であれ、非常に心苦しいものです。

しかし、不満を声にされないお客様が多い中、クレームはこちらの不備を声にして教えて下さっています。

店舗や企業にとっては、非常にありがたいことです。

店舗や企業は、クレームによって挙がったご指摘から、今後の改善策や再発防止策、予防策を考えることができます。

こういったことから、クレームは「発生して終わりではなく、そこからが始まりである」とも言われます。

顧客の「心の声」について

皆さんは、「グッドマンの法則」をご存知でしょうか。

グッドマンの法則とは、顧客のクレーム(苦情)と再購買行動には相関関係があることを示した法則です。

アメリカにおける消費者苦情処理調査を担当していたTARP社代表のジョン・グッドマン氏の名前が由来となっています。

TARP社が取りまとめたデータから、顧客ロイヤルティ協会を設立された佐藤知恭氏が法則性を発見し、分析されました。

第一から第三法則までありますが、以下の「第一法則」について、文章をお借りし共有させて頂きます。

不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の当該商品サービスの再購入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客のそれに比べて高い

顧客ロイヤルティ協会様・ホームページより
https://www.customer-loyalty.jp/goodman

上記の法則によると、「苦情を申し立てた顧客」のリピート率は、「不満を持ちながらも苦情を申し立てない顧客」より高いとのことです。

つまり、「苦情を申し立てた顧客」のフォローは当然ですが、「不満を持ちながらも苦情を申し立てない顧客」のフォローが、マーケティング上、重要であるということです。

どうすれば、「不満を持ちながらも苦情を申し立てない顧客」のフォローができるでしょうか。

冒頭でもお伝えしましたが、「声なき顧客」(サイレントカスタマー、サイレントクレーマー)について、考えてみましょう。

いくつかポイントが存在するかと思いますが、その一つについて考えを述べさせて頂きます。

それは、顧客の「心の声」にも耳を傾けるということです。

とある飲食店Aの事例を挙げます。

「トイレの場所が多少分かりづらく、お客様が迷われている様子をよく見かける。」

これは、飲食店Aでのお客様の行動の傾向から、お客様の「心の声」を推測したものです。

つまり、お客様の「心の声」とは、お客様の声として現れないないニーズ(潜在的なニーズ)です。

お客様のニーズには、以下の2種類が存在します。

  1. 顕在的なニーズ(声として現れる)

  2. 潜在的なニーズ(声として現れない=心の声)

上記のイラストを見てください。

このイラストのように、「お客様の声」として現れるニーズは、氷山に例えるなら、全体のほんの一部に過ぎません。

お客様のニーズの多くは心の内に秘められており、言葉として発されない為、私たちはお客様のニーズの全てを知ることができません。

日本人に限って言えば、「全てを語らない」「空気を読む」といった特性も前提としてあるとは思います。

一般的に、お店に対してのニーズがあっても声にしないお客様の心理状況として、以下のようなものが挙げられます。

例えば、店舗の商品やサービスについて、何か気になる点があったとしても、、、

・声に出して言うほどのことでもない。
・自分の顔が割れてまで、伝えることではない。
・自分が指摘したことがお店に知れたら、次から行きづらい。
・(メールや電話の場合)自分の名前や電話番号、メールアドレスを明かしてまで伝えるほどではない。

このような考えから、お客様が感じているニーズは、心の内に秘められる潜在的なものが多く、声として現れないケースの方が圧倒的に多いのです。

普段、皆さんが投稿して頂いているような「お客様の声」やクレーム等は、お客様のニーズの内のごく一部です。

実際に、声として現れる「お客様の声」には、声にしてでもお店に伝えたいという強いメッセージが多く含まれています。

お客様の「心の声」を感じ取るには、どうすれば良いか。

それは、「お客様をよく観察すること」です。

お客様の表情や動作だけではなく、お客様が見ているものにも観察する(気を配る)と、お客様が心の中で考えていること(=「心の声」)を推測しやすくなります。

前述の例に戻ると、「トイレの場所が分かりづらく、お客様が迷われている様子をよく見かける。」

これは、飲食店Aのあるスタッフが、お客様の行動の傾向を観察していて、「心の声」を推測したものでしたね。

お客様をよく観察しておけば、お客様がキョロキョロと周囲を見渡している様子をすぐに捉えることができます。

「どちらかお探しですか?」などとすぐに声をかけて、お困りごとを即座に解決して差し上げることができます。

このように、お客様の「心の声」へのアプローチが、「不満を持ちながらも苦情を申し立てない顧客」のフォローへとつながるのです。

クレーム鎮静後の取り扱いについて

また、クレームは、沈静化した後の社内での取り扱いが重要です。

取り扱い次第によっては、組織づくりや個人と組織の成長の機会にすることもできます。

以下、詳しく述べていきます。

私は、これまで多くの企業のクレーム対応の現状を見てきました。

企業における、クレーム沈静後の取り扱いについて、以下の2通りの傾向があると考えます。

  1. 対処療法型

  2. 根本解決型

対処療法型

対処療法、つまりは、発生したクレームに対処することです。

こちらの企業では、都度のクレームに対処しますが、そこで取り扱いを終了してしまいます。

当然、問題の解決に向けて、迅速かつ誠実に対応することは、大変重要なことです。しかし、ここで留めてしまっては、再発防止や組織の成長には繋がりません。

根本解決型

根本解決とは、クレームや関連する課題を根本から解決することを指します。

こちらの企業では、都度のクレームに対処した後、再発防止や未然防止のために、要因の特定や分析、そして仕組み(マニュアルやルール等)の見直し、組織構造の見直しなどを、再発や未防に防ぐ行動を徹底的に行います。

その過程や結果で、人材や組織の育成に繋がります。

以下、「根本解決」の方法について、3つのポイントを記します。

前述と同様に、以下のモデルケースを使って、ご説明します。

【モデルケース】(飲食店)
店頭のお客様から、接客対応に対する不備についてご指摘があった。
・料理提供までに長時間かかった上に、間違った料理が提供された。
・お客様はお怒りのご様子。
・スタッフから店長へ報告があり、店長が対応する。

「根本解決型」のポイント

1. 要因の特定や分析

担当スタッフ、店長(現場管理者)、当日出勤スタッフへ当時の状況について、聞き取りを行います。

その際、「犯人探し」や「あら探し」のような雰囲気とならないように注意が必要です。

あくまで、目的は「根本解決」であり、店舗をもっとよくする為、再発防止に繋がる施策を実施する為、お客様により一層ご満足頂く為といった「理由」や「意味」を明示することが重要です。

その他に、上記のケースであれば、なぜ料理提供に時間がかかり過ぎたのかや、なぜ間違えた料理が提供されたのかについて、根本となる要因の特定や分析を行うことが重要です。

2.仕組みの見直し

マニュアルやルール、人員配置、オペレーション等、仕組み自体に要因があると判断した場合は、要因箇所を見直す必要があります。

その際、現場の長である店長と、店長の上司であるマネージャーとで話し合った上で見直しの方針を決めるなど、現場のリーダーですり合わせした後に、本部や経営陣へお伺いを立てる形をお勧めします。

例えば、以下の図のようにD店で発生したクレームについては、D店の店長とエリアマネージャーとで仕組みの見直しや解決策や改善策を考案し、本部へ提案するイメージです。

画像

このようにクレーム発生後、現場で既存の仕組みを見直すことは、内省が進み、個人や組織の成長機会に繋がります。

逆に、本部主導で仕組みを見直し、現場に落とすという方式を採ると、現場の内省機会の損失に繋がってしまう場合もあります。

※但し、現場に仕組みを見直すための土壌が不足している場合や、仕組みを見直すスピードを重視する際などは、本部主導で行う場合もあります。

3.社内での共有

一度発生したクレームは、他店舗でも発生に繋がる可能性を孕んでいます。

他店舗間でも、クレームの内容、解決経路や顛末、再発防止策のための取り組みについて、共有することをお勧めします。組織としての学習も進みます。

但し、クレーム発生の当事者を匿名にするなど、心理的安全性への配慮は、組織感情の醸成において、重要なポイントとなります。

このように、クレーム解決後の社内での取り扱いによって、学びや成長の機会へと繋がるのです。

株式会社JEAN
河上 朗

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