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JEAN BlogsJEANの「感動価値」ブログ

2022/08/29

顧客に感動を提供する組織づくりについて〜共有ビジョンと「2つの色眼鏡」〜

今回は、顧客に満足や感動を提供することのできる組織について、皆さんとご一緒に考える機会とさせて頂ければと思います。

「感動価値」による好循環とは?

企業が顧客に提供する商品・サービスにおいて「感動価値」(※)を創造することが経営上の好循環に繋がります。

※「感動価値」とは、企業が顧客に提供する商品・サービスに対して、顧客が満足・感動するような付加価値として、定義づけさせて頂いています。

また、顧客が感動するような商材を提供する会社の経営幹部や従業員自身も、自らの仕事に対して満足・感動するような企業や組織体としての価値のことも指します。

そして、商品・サービスを通じて「感動価値」を顧客に提供することにより、マーケティング上の好循環と、組織運営上の好循環が働きます。

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「感動価値」の創造・提供による2つの好循環

顧客に感動を提供する組織づくりとは?

それでは、顧客が満足・感動するような商品・サービスを提供できる組織を作っていくために、どのような取り組みが必要でしょうか。

この問いにの答えについては、「組織としての学習能力を高める」という考え方が非常に有効です。

そして、その考え方について、組織開発分野における名著「学習する組織」という本に多くのヒントがあります。

「学習する組織」とは、著者であるマサチューセッツ工科大学の経営大学院の上級講師ピーター・M・センゲ氏の理論です。

「学習する組織」とは、内的及び外的変化の激しい環境下でも、様々な衝撃に耐え、復元するしなやかさを持つと共に、その変化に柔軟に適応し、学習し、自らをデザインや創造し、進化し続ける組織のことを指します。

「学習する組織」ピーター・M・センゲ氏・著 / 訳者まえがきより引用

本書では、従来の「経営者が管理する形の組織」から、「組織に所属する全員が学習能力を高める組織」へ変革することの重要性について記されています。

また、以下、5つの視点に沿った理論が提唱されています。

  1. 自己マスタリー

  2. メンタル・モデル

  3. 共有ビジョン

  4. チーム学習

  5. システム思考

詳しくは、是非とも本書をお手にとって頂ければと思いますが、今回は3つ目の「共有ビジョン」をについて、少し触れさせて頂きます。

組織が「共有ビジョン」を持つことについて

「共有ビジョン」とは、組織を構成するメンバー全員が共有している実現したい姿のことです。本書では、「ビジョン」については、経営理念、ビジョン、クレド、目的、目標などのいずれのことを指すか、具体的に明記されておりませんが、私たち其々の想定に置き換えながら捉えていきましょう。

また、「共有ビジョン」は、「自分たちは、この組織で何を創造したいのか?」に対して、組織中のあらゆる人々が思い描くイメージのことであると本書には書かれています。

そして、その役割や期待される効果として、組織に浸透する共通性の意識を生み出し、多様な活動に一貫性を与える、と書かれています。

上記について、言葉を噛み砕きながら、まとめていきます。

組織が共通のビジョンを持ち、そのビジョンが組織に浸透していくことは、個人間の関係性やその団結力を強め、その組織の活性化に繋がります。

以下は、ビジョンの設定から、共有、浸透を通じて、効果が生じるまでのイメージです。

例えば、表題のような顧客に感動を提供する組織づくりを目指すのであれば、「顧客の満足や感動を創造しよう」といった趣旨のビジョンを設定します。

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さらに、組織の中でビジョンの共有や浸透が進むと、組織に所属する個人個人の中で、ビジョンが自分のものとなり(自分ごと化が起こり)、「このビジョンを達成するために、自分(たち)は何をすべきか?」という思考が芽生えます。

また、組織のビジョンが明確になることで、現状とのギャップ(課題)が浮き彫りとなり、上記の例で言えば、「なぜ現在は、当社の商品・サービスの提供により、顧客の感動が生じていないのか?」「解決するために、何をすべきか?」といったように、より生産的な動機づけへと繋がります。

その後、個人個人によるビジョンの自分ごと化がさらに進むと、程度の差こそありますが、ビジョンの実現による成功体験が少しずつ生まれてきます。これらの成功体験が組織内で共有されることにより、更に組織に変化が生まれ始めます。

具体的には、前述のように、やりがいやモチベーションの向上、団結力の向上にも繋がります(組織運営上の好循環)。また、売上や利益率、顧客満足度にも変化が生じます(マーケティング上の好循環)。

組織にビジョンが浸透するために〜組織ビジョンと個人ビジョン〜

組織がビジョンを描き、組織にビジョンを浸透させるには多くのポイントがありますが、本稿では、最後にそのポイントを一つだけ、提唱させて頂ければと思います。

そのポイントとは、弊社が提唱する「2つの色眼鏡」という考え方です。

組織のビジョン(理念、ビジョン、クレド、目的、目標など)を、組織が従業員にかけてもらう一種の「色眼鏡」に例えるとします。

組織は、この「色眼鏡」を従業員にかけてもらう(自分ごと化してもらう)ために、個人個人が元々かけている「色眼鏡」(個人が持つビジョン、価値観、特性、個性など)を外すことを強要しないことが大切です。

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上記は「2つの色眼鏡」のイメージです。

元々自分がかけていた「色眼鏡」(ビジョンや価値観)と、所属する組織の「色眼鏡」です。

【うちの組織の「色眼鏡」もかけてほしいけど、自分の「色眼鏡」もそのままかけていてね】という企業風土は、個人が組織のビジョンに対して順応しやすくなります。

自分の価値観もそのまま大事にしてもらいながら、組織の価値観も大事にしてもらうというイメージです。

組織がビジョンの共有によって、変化、成長するために大切なことは、組織のビジョンを従業員へ押し付けるのではなく、上記の例で言えば、「どうすれば、顧客の満足や感動を創造できるのか」について、個人個人が内発的に考え出すように促すことです。

そして、ビジョンの共有や浸透について、先導役となるリーダーが組織の中に必要です。

株式会社JEAN
河上 朗

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