JEAN BlogsJEANの「感動価値」ブログ
カテゴリー:感動価値×サービス
2021/02/21
おもてなし経営企業選と日本サービス大賞
「おもてなし経営企業選」と「日本サービス大賞」をご存知でしょうか。
いずれも、優れたサービスを提供する事業者を表彰する制度です。
「おもてなし経営企業選」は2014年で終了しておりますが、今回はこれらの制度について概要をご紹介させて頂きたいと思います。
「おもてなし経営企業選」とは
経済産業省は、2012年からの3年間、「おもてなし経営※」を実践する事業者を選出し、表彰しました。2012年に50社、2013年に28社、2014年に22社が表彰されています。
※「おもてなし経営」とは、(1)社員の意欲と能力を最大限引き出し、(2)地域・社会との関わりを大切にしながら、(3)顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する経営のことです。地域のサービス事業者が目指すビジネスモデルの一つとして、経済産業省が提唱しています。
当表彰制度は、選出事業者の取り組みを紹介することで、これらの先例を参考に、国内の各事業者のビジネスの高付加価値化や差別化に向けた取り組みを奨励するために実施されました。(参照:経済産業省HP)
「日本サービス大賞」とは
「日本サービス大賞」とは、多種多様なジャンルのサービスを評価し、優れたサービスを表彰する表彰制度です。2015年から応募が開始され、現在までで第3回の授賞式まで実施されております。
公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会(SPRING)という団体が主催しています。2016年に30社、2018年のに18社、2020年に31社が表彰されています。
内閣総理大臣賞をはじめ、地方創生大臣賞、総務大臣賞、厚生労働大臣賞、農林水産大臣賞、経済産業大臣賞、国土交通大臣賞といった各省庁からの表彰などがあります。
主な審査基準は以下4点です。
- 顧客から見たサービスの良さ(明快性、革新性、優越性)
- 「サービスをつくりとどけるしくみ」※2の良さ(明快性、革新性、優越性)
- 成果(顧客価値、事業の継続性・発展性)
- サービスイノベーションを通じた社会の発展への寄与(モデルとしての期待)生産性向上や付加価値拡大、経営システム革新(IT、研究開発等)、社会的課題への対応、従業員の働きがいや働きやすさの向上、地方創生・地域活性化、グローバル志向とその実践、持続可能な社会の実現(SDGsやESGへの寄与)等
表彰を通じて、サービス事業者の士気向上や切磋琢磨を促し、サービス産業界を活性化させ、日本経済全体の底上げが創設の狙いです。
日本サービス大賞HP:https://service-award.jp/index.html
このように、官民一体となり、日本のサービス力を底上げしていくような取り組みがあることは素晴らしいことです。
毎回、多くの模範となる企業が選出されることで、どうすればお客様に感動されるようなサービスが提供できるのか、そのヒントが公知されます。これらのヒントは、全国の企業がサービス力を向上させる上で、非常に参考になります。
選出された企業の共通項として目立つのは、「経営者と社員の、お客様に対する想い」と「お客様に感動を伝える仕組み」です。
例えば、2016年に地方創生大臣省として表彰された長野県の株式会社フォレストコーポレーションを例に挙げてみます。
長野県伊那市に本社を置く住宅会社で、「家づくりを物語に」をコンセプトにした、お客様参加型の家づくりサービスを提案されています。
様々な取り組みがありますが、一つに「選木ツアー」があります。家族みんなで山に入り、ご自身の家に使う木を選ぶところから参加するというツアーです。
また、建築期間中も、珪藻土の壁塗り体験、手作り陶器の表札作り体験などに参加することができます。
このように、顧客が家づくりに参加することで、木や自分の家に対する愛着を増幅させます。その過程や結果を通じて、家族との物語や感動を創出しています。
さらに、国産木材の活用など、長野県の林業活性化に繋がっている点も表彰の理由となりました。
これらの素晴らしい取り組みは、一生に一度の家づくりを通じて、お客様に感動を提供したいという経営者や社員の皆さんの想いが原点となっています。
そして、その想いを具現化する「選木ツアー」などの仕組みを作ることで、社員の皆さんはそのスキームの中で感動サービスを、何度でも提供することができます。
更には、ご自身の個性や感性に基づく工夫をその仕組みに加えて提供することで、世界で一つだけの特別な「感動価値」を創造することができるのです。
(参考書籍:「日本の優れたサービス」生産性出版)