JEAN BlogsJEANの「感動価値」ブログ
カテゴリー:その他
2023/08/18
「失敗価値」について 〜概論と事例〜
今回は、「失敗価値」というテーマで、お話をさせて頂ければと思います。
私も含めた個人、そして企業も、人は必ず失敗をします。
そこで、「失敗価値」という考え方について、少しお話しできればと思います。
「失敗価値」という言葉は、私が「このような言葉があっても良いのでは!」と考えたもので、一般的な名詞ではありません。
以下のような考え方と思って頂ければ幸いです。
「失敗は、その後の取り扱い方によって、大きな価値を生む」
誰にとっても、働く以上、失敗してしまうことはあると思います。もちろん、失敗をしないように、事前に様々な考えを巡らしたり、準備をすることは前提ですが、それでも失敗してしまった場合、大切なことは、その後の考え方や行動ではないのでしょうか。
失敗をした後、そのことをマイナスに捉え続けたり、自信をなくし続けたりするのではなく、その失敗を、今後に有効活用する、こんな考え方はいかがでしょうか。
失敗を失敗のままで終わらすことなく、自分自身やチームの、今後の成長に繋げていきませんか。
今回は、失敗したことを今後に有効活用するための考え方を一つ、ご紹介したいと思います。
この考え方を説明するために、上記の図を使って説明します。
これは、「経験学習サイクル」という考え方です。
これは、失敗や成功など、日々の様々な経験の後、そのままにせずに、今後の成長のために活用をしよう、という考え方です。
考え方は、シンプルです。
-
経験
業務に意欲的に取り組みながら、失敗や成功を含め、様々な経験をする。 -
内省
例えば、失敗をした後であれば、「なぜ失敗したのか?」「どうすればもっと上手くできたのか?」などを考え、自分の経験を振り返る。また、第三者からの率直なフィードバックは、改善にとても役立ちます。 -
教訓化
振り返った内容を元に、「今後、類似する場面に遭遇したらどうするか」「今の自分には何が足りておらず、それを補うためにはどんな準備をしておけば良いか」など、失敗経験から得られた気づきを教訓にしておきます。自分自身で言葉にしたことは、次回、類似する場面に遭遇した場合、その教訓を思い出しやすくなり、失敗をより防ぐことができます。
-
実践
上記のプロセスを経て、日頃の考え方や行動を修正し、同じ失敗を繰り返さないように、意識や行動をします。
そして、日頃の業務で、自分を信じて、また実践を重ねます。
皆さんの中にも、このようなことを考えて、失敗経験や課題を乗り越えてこられた方は、多いのではないでしょうか。
この考え方は、成功経験にも同様のことが言えます。「うまくできた」という経験をした際も、「なぜうまくできたのか」を振り返り、教訓化し、再度実践していく、という考え方です。
ファーストリテイリング社の「失敗価値」
「失敗価値」を活かして成長した企業の事例を1つお伝えします。
ファーストリテイリングは、言わずと知れた「ユニクロ」の運営会社です。
実は、2002年に「SKIP」(スキップ)という生鮮野菜の生産・販売事業を開始しています。
しかし、事業開始から約1年半で30億円の赤字となり、2004年2月末までに全店舗の閉店を決定し、撤退に至りました。
野菜の安定供給がうまくいかず、顧客離れが進んだことが主な原因でした。
また、2009年にも「ユニクロシューズ」という靴の販売事業を開始しましたが、こちらもサイズ展開の難しさなどが原因となり、2011年8月に撤退しました。
これらの経緯があり、以降は、事業多角化に対して慎重になり、本業である衣類中心の方針を貫いていきました。
その後、「ヒートテック」や「ウルトラライトダウン」といった大ヒット商品を次々と生み出し、直近2022年では、連結売上高1兆4,673億円となるまでに事業拡大しています。
ご存知、取締役会長兼社長である柳井正さんは、「一勝九敗でもいいが、再起不能の失敗はしない」という言葉を残しており、失敗には価値があることや、その経験を教訓化することの大切さを説いています。
また、著書の中で、以下のような言葉も残しています。
上述のように、失敗はその後の捉え方によって、事業に価値をもたらします。
大切なのは、失敗をした後、二度と失敗しない為にはどうするか、今後に活かす為にはどうすれば良いか、振り返り、行動をすることではないでしょうか。
こうして、「失敗価値」は、未来に繋がる成長の「糧」に変えることができるのだと思います。
株式会社JEAN
河上 朗