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JEAN BlogsJEANの「感動価値」ブログ

2022/08/08

「WHY」を伝える部下育成の話

組織内で上司の立場にある皆さんの場合、部下の育成(具体的には、アドバイスや指摘の場面)において、どのようなことを意識されていますか?

僕は、日頃、サービス業企業の人材育成や組織づくりのお手伝いをしています。

先日、顧客企業(小売業)の店舗に伺った際、女性社員の方から、以下のような質問を頂きました。

「部下(アルバイト)への指摘の仕方が難しくて。。もっと言うと、部下のモチベーションを下げない言い方について、何か良い方法ありますか?褒めるのは得意なんですが。。」

指摘の仕方について、様々な考え方があるかと思いますが、僕は、一つの考え方を彼女へご提案しました。

それは、以下の考え方です。

===

「WHY」を伝えて、アドバイスをする。

===

端的にお伝えすると、部下の方へ、「WHY」(理由)をつけてアドバイスや指摘をする、ということです。

部下は、上司やリーダーから発されるアドバイスや指摘について、理由が伝わると、心が動かされます。

結果、意識や行動を変えてみようと、思うことができます。

以下のような書籍があります。「WHYから始めよ!」という書籍です。

画像

著者は、サイモン・シネックさんという、イギリス系アメリカ人の作家です。リーダーや組織に対して、「人をインスパイアする方法」を伝授する講演者・コンサルタントでもあります。

2009年に公開されたTEDトークでの以下の動画は、世界で6,000万回近く再生されています(2022年8月現在)。優れたリーダーはどうやって行動を促すかサイモン シネックがシンプルで強力なモデルを使って周りを動かすリーダーシップについて説明します。全てはゴールデンサークルとwww.ted.com

少しだけ詳しく、ご説明します。添付の画像をご覧ください。

画像
ゴールデン・サークル

これは、「ゴールデン・サークル」という、シネック氏の考え方です。

3つの円の中で、一番外側に「WHAT」、一つ内側に「HOW」、その内側に「WHY」があります。

WHAT・・・何
HOW・・・どのように
WHY・・・なぜ

具体例を挙げてみましょう。

例えば、あなたは、アルバイトスタッフの方(例:山田さん・女性)が、お客様に対して、「済みません」と謝っていた場面を見ていたとします。

その後、あなたは、その場面の言葉遣いについて、山田さんに一言、指摘をしたいという想定とします。

もちろん、感情的に叱ることではなく、山田さんに正しい言葉遣いを伝え、彼女の成長を促すためです。

以下、3パターンの指摘の仕方を挙げます。

目次

  1. WHAT型:
  2. HOW型:
  3. WHY型:

WHAT型:

事実(何)だけを指摘する。


(例)
山田さん、お客様にお詫びの気持ちをお伝えする時は、「済みません」はやめてくださいね。


指摘された側の心理の例:

・間違っていたことは理解できる。
・どのように改善すれば良いかは分からない。

このような事実に対する注意や指摘だけでは、その場では理解できても、今後の習慣を変えようとまで深く理解できず、結局元の習慣に戻ってしまうということがあります。

人の感情に刺さらない言葉は、すぐに忘れ去られてしまいます。


HOW型:

事実の指摘に加え、改善方法(どのようにすれば良いか)を伝える。


(例)
山田さん、お客様にお詫びをお伝えする時は、「済みません」ではなく、「申し訳ございません」と伝えてくださいね。


指摘された側の心理の例:

・自らが間違っていたことと、どのように改善すれば良いかは理解できる。
・なぜ、「申し訳ございません」にしなくてはならないのかは分からない。


WHY型:

改善方法に加え、改善が必要な理由(なぜそれを伝えるのか)を伝える。


(例)
山田さん、お客様にお詫びをお伝えする時は、「済みません」ではなく、「申し訳ございません」と伝えてくださいね。理由として、2つあるのですが、1つ目は敬語の使い方、2つ目は正しい敬語を使うと山田さんにとってメリットがあるからです。

1つ目ですが、「済みません」は丁寧語で、敬語としてはカジュアルな表現なので、お客様にお詫びを伝えるときは、より敬意を込めた尊敬語、「申し訳ございませんでした」がよりふさわしい言葉遣いとなります。

そして、2つ目の「山田さんにとってのメリット」ですが、正しい敬語を使うと、お客様からより信頼してもらいやすくなります。

そして、これから新しいスタッフが入ってきますが、正しい言葉遣いを山田さん自身ができていると、お手本になれたり、正しい言葉遣いを教えてあげることができます。

あと、正しい敬語ができると、就活の時や社会人になった時にも役立ちますよ^^

上記の例ような伝え方のイメージです。

どうでしょうか。

WHAT型、HOW型と比べて、WHY型、つまりゴールデン・サークルの最も内側の円である「WHY・なぜ・理由」まで説明をされると、「なるほど〜!」「そうか〜!」といった納得感がありませんか?

このように、人はWHY(なぜ)が伝わると、本質から理解することができるため、モチベーションが高まり、今後は、自分自身で正しい方向へ進もう(意識や行動を変えよう)と思いやすくなります。

また、そのことを教えてくれたリーダーに対して、感謝、尊敬、信頼の気持ちが高まります。

このように、部下は「指摘してもらえて良かった」と思える、納得感のある、愛情が伝わるような伝え方をすると、言葉が心に刺さります。

同じ指摘事項を伝えるのでも、「伝え方」一つで受け取る側のモチベーションが変わります。

以上、「WHY」(理由づけ)をすることで、部下のモチベーションを上げながら指摘をするヒントについて、少しだけですが、共有させて頂きました。

日頃、顧客企業の従業員の方へ、このようなお伝えをすることも、僕の仕事の一部です。

最後まで、お読み頂き、ありがとうございました。

株式会社JEAN
河上 朗

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