JEAN BlogsJEANの「感動価値」ブログ
2022/07/22
近江商人に学ぶ大切な考え方
本日は、「先義後利」(せんぎこうり)という言葉についてお話しできればと思います。
僕は、事業をする上で、この言葉を心に置いておくようにしています。初めて知った時、とても心に響いたからです。
もし、初めて聞いたという方がいらっしゃいましたら、参考にして頂けるかもしれないと思い、ご紹介させて頂きます。
ご紹介の前に、ほんの少しだけ前置きですが、僕は、滋賀県近江八幡市に住んでいます。
近江八幡市には、江戸時代、八幡商人と呼ばれる近江商人が住んでいたエリアがあります。
「先義後利」
この言葉は、このエリアにある、近江八幡市立資料館の中に、掛け軸として展示されています。
以下の画像、右側の掛け軸に書かれています。
この資料館は、「旧西川家住宅」とも呼ばれ、江戸から明治時代前半にかけて活躍した近江商人、西川利右衛門(りえもん)の屋敷です。
西川利右衛門は、江戸・京都・大阪に店舗を構え、蚊帳(かや:寝るとき、蚊を防ぐために吊り下げて寝床をおおうもの)・畳表(たたみおもて:畳の表につける、イグサの茎で織ったござ)などの商いで財を成しました。
西川家は、初代から11代まで約300年にわたり活躍しました。1930年に子孫が途絶え、土地と建物は市に寄贈されています。
この言葉は、この西川家の家訓として大切にされてきました。
左右両方の掛け軸を合わせ読み、「先義後利栄・好富施其徳」となります。
読みとして、「義を先にし、利を後にすれば栄える。富を好しとし、其の徳を施せ」と読むそうです。
目先の利益に走らず、お客様をまず大切にしなさい、利益は後からついてきます。そして、商売で得た富をきちんと社会へ還元しなさい、という意味が込められているそうです。
「三方よし」を大切にする近江商人ならではの心構えですよね。
この言葉は、元々、中国の儒学の祖の一人、荀子(じゅんし)が唱えた言葉だそうです。また、この言葉は、大丸百貨店の創業者、下村彦右衛門が立てた経営理念としても有名です。
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「三方よし」と「六方よし」
ひとつ、近江商人の「三方よし」について、付け加えをさせてください。
最近では、進化型の「六方よし」という考え方があります。
これは、元国連職員の田瀬和夫さんにより、SDGs時代の理念として提唱され、藻谷(もたに)ゆかりさん(経営エッセイスト)の著書「六方よし経営」(2021年・日経BP)で推奨されている考え方です。
本書では、近江商人の「三方よし」(売り手よし・買い手よし・世間よし)に加え、「作り手よし」「地球よし」「未来よし」という「六方よし」の考え方が推奨されています。
つまり、売り手(自社)、買い手(顧客)、世間(社会)に加え、作り手(サプライチェーンの取引先等)、地球(環境)、未来(次世代)といった対象への配慮が大切であるという考え方です。
現在のような、先行きが不透明で、将来の予測が困難な「VUCA」と呼ばれるような時代においては、「先義後利」や「三方よし」はもちろん、「六方よし」といったより長期的かつ俯瞰的な考え方が益々求められています。
僕自身、これらの考え方について、もっと学び、もっと思考・行動しなくてはなりません。
現在、僕は京都で、個人で出来ることとして、消防団に加入させて頂き、地域や社会に対する取り組みに参加させてもらっています。
この取り組みを通じて、地域の防災や、人と人とのつながりの促進といった活動を行い、社会に目を向けるきっかけを頂きました。
消防団の皆さんとのつながりや活動は、かけがえのないものです。
今後は、法人としても、事業を通じて社会課題解決や社会貢献につながる取り組みをしていきたいと考えています。